うつ病が労災として認定される場合があります

厳しい労働、長時間の労働、パワハラなどで「うつ病」あるいは「うつ状態」になった場合、うつ病は労災認定となる可能性があります。

 

労災認定が降りれば支給総額は傷病手当金の支給総額よりも多くなるのが一般的ですから、労災認定がされるに越したことはありません。

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労災認定までには時間がかかるので傷病手当金を先に申請する

精神疾患で労災認定が認められるのは、半年から1年という長時間がかかるのが普通です。

 

その場合にはどうするかといいますと、まずうつ病で会社を休職している場合、生活に必要なお金は「傷病手当金」の請求で賄います。

 

傷病手当金を貰いながら、労災の申請をするのです。1年後に労災認定がされたら傷病手当金から労災に切り替えるという流れになります。

 

傷病手当金の返還

 

労災認定がされた場合には、それまでに支給された傷病手当金は「健康保険協会」や「健康保険組合」に戻さなくてはなりません。

 

その代りそれに代わる金額が労災から支給されることになります。

 

傷病手当金の返還が終わらない内から労災の「休業補償給付」や「療養補償給付」を受ける事ができることが労災で決められているので安心して請求ができます。

 

ただ、同じ健康保険協会であっても支部によっては傷病手当金を貰いながら労災申請をすること。

 

労災が認定されてからの傷病手当金の返還を認めていない事があるので、所属する健康保険協会支部や健康保険組合に問い合わせをしましょう。

 

労災が認められると医療費と支給額はこんなに違う

 

傷病手当金は給料日額の2/3
医療費は原則3割負担

 

労災が認定されると

 


給料日額の6割(休業補償給付)+給料日額の2割の休業特別支給金
医療費は無料

 

 

つまり給料日額の8割が支給されるので傷病手当金よりも高額支給となります。

 

また医療費は0円となり全くかからないことに成ります。精神疾患の労災認定率は40%と高くは無いのですが、そこで諦めるのではなく申請してみる事は大きな選択です。

 

なにしろ支給金額や医療費の手厚さは大きな魅力です。

 

退職後の労災給付は条件を満たしている限りずっと続くので、傷病手当金のように最長で18か月間というくくりはありません。

 

会社との闘い

ただ、パワハラやセクハラで労災申請をすることは会社と戦うことに成るので、うつ病にとってはかなりの覚悟が必要です。大きなストレスになるのは間違いありません。

 

会社の上司などとの会話のメモや録音が有利な証拠となるので、必ず残しておくようにします。パワハラやセクハラは証拠が重要となることは覚えておきましょう。メモだけでもその都度しっかりと取っておきます。

 

傷病手当金の申請も労災の申請も最初は会社が手続きをすることが多いのです。

 

そのためどうしても会社が手続きをしたがらないことがあります。そういった時には、自分で手続きをすることもできるので休職という方法を選択するのも良いでしょう。

 

その時に退職を勧奨されても応じる義務は一切ありません。

 

休職の原因となった傷病が業務が原因ですから、解雇制限があり会社側は勝手に解雇はできません。

 

長時間の残業が原因となって自殺となったケース

2016年度9月に、自殺した東大出身の若くて才能のある女性社員が過労死であり労災認定がなされました。

 

過労死かどうかの基準となる80時間を超える月105時間働いていました。

 

その前の年の11月はうつ病になっていたと認められていました。会社側でそれに気づいていながら適切な措置を講じなかったのなら企業側は賠償責任を払う必要がでてきます。

 

過労死や過労自殺も労災として扱われて、企業が賠償責任を命じられることがあります。過労死や過労自殺でも労災保険給付を請求すれば認められます。

 

遺族が過労自殺の責任を企業に求めた最初のケースは、平成12年に長時間労働でうつ病にかかって自殺した企業側の責任を認める判決が下っています。

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